近年、製造業における自動化ニーズはますます高まっています。特に、多品種少量生産や変化の激しい市場環境においては、固定された生産ラインだけでなく、柔軟に構成を変更できる自動化システムの導入が求められています。ロボット台車は、こうした柔軟なシステムを構築する際に有効な手段となります。
しかしロボット台車を導入する際、忘れられがちなのが周辺機器の扱いです。
ロボットは単体では動かないため、必ずコントローラーなどの機器が必要になります。
これらの機器を適切に収納するためには、台車の支柱内部や下部のデッドスペースを活用し、機器を内蔵する設計が必要であり、それらを収納するスペースがコントロールボックスです。
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コントロールボックスには、ロボット本体、コントローラー、電源が一体化して収納できます。そのため、移動時の取り回しがしやすくなります。また作業場所を変更する際も、台車ごと移動させ、電源ケーブルを接続するだけですぐに稼働させることが可能です。そして必要な機器がすべて台車に収まることで、ロボット周辺の作業スペースが整理できます。
ロボットの周辺機器をむき出しのまま使うのは危険です。また、ロボットのコントローラーの大きさは、メーカーや機種によって様々です。とてもコンパクトなものもあれば、ある程度の大きさを持つものもあります。
そのため、汎用的な棚やスペースを用意しただけでは、特定の機器が収まらなかったり、逆にスペースが生まれたりします。余裕を持ちすぎた設計にすると、機器が中で動いてしまい、故障の原因にもなります。ロボット台車のコントロールボックスはロボットを安全に搬送する重要な役割を担っています。

ロボットの役割によっては、ロボットのコントローラーだけでなく、外部の装置が必要な場合があります。例えば、画像検査を行うためのカメラを制御する小型PCや画像処理ユニット、ロボットの安全性を確保するためのセーフティコントローラなど、追加の周辺機器が必要になるケースは多々あります。こうしたコントローラー以外の機器を入れる場合、通常より大きな収納スペースが必要になります。ロボットの役割や周辺機器、外部の装置を考慮しシステムの構成に合わせたサイズで設計しましょう。
ロボットを安全に移動させるには、収納したいコントローラーや周辺機器を、台車内部に確実に固定する仕組みが重要です。
先述したようにメーカーごとにコントローラーなど、周辺機器のサイズや形状は様々であり、それぞれの機器の形状やネジ穴の位置は異なります。そのため、収納する機器に合わせて専用の取り付け金具に変更したり、製作したりする必要があります。
最適な金具を使用することで、機器をムダなスペースなく、固定し安全に移動させることができます。




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いかがでしたでしょうか。今回はロボット台車のコントロールボックスについてご紹介しました。
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