「あと1センチ……いや、数ミリ低ければ入るのに」
「既製品の低床台車では、重量物を載せられない…。」など
重量物を扱う現場や限られたスペースで運用する製造ラインでは、搬送機器の高さ制限があります。既製品を探しても、耐荷重を重視すれば車輪がどうしても大きくなり、床面が高くなってしまうことや、逆に高さを抑えれば強度が足りないといった問題が発生します。このようなお悩みを解決するのが特注低床台車です。なぜ特注化が現場の悩みを解消できるのか、低床台車を特注化するメリットなどをご紹介します。
目次

そもそも低床台車とは、一般的に床面高さ100mm程度の搬送台車を指します。既製品の多くは小径キャスターを採用することで全高を抑制していますが、この構造には特有の制約が存在します。例えば、小径キャスターは路面追従性や走破性が低く、段差通過時の挙動不良や搬送物の安定性低下を招きやすいほか、接触面積の増加によって、始動抵抗・走行抵抗が大きくなるため、重量物搬送時には操作者の負荷が増大します。
その結果、低床化と引き換えに、走行性能・操作性・安全性が十分に確保できないケースが生じる点が、現行の既製低床台車における主要な技術的課題となっています。
低床台車には既製品では解消できない技術的な制約が多く、特に高さ・強度・環境要件が厳しい現場では、特注化による最適設計が大きな効果を発揮します。特注低床台車の主なメリットは以下の通りです。
機械装置下部や自動倉庫ラック最下段など、数ミリ単位で高さが制約される環境に対し、要求寸法に合わせた構造設計が可能です。既製品の多くは荷台高さが50mmを超えますが、当社では鉄板の曲げ加工を用いた低背構造により、荷台高さ48mm以下の超低床仕様を実現します。これにより、「あと数ミリ低ければ搬入できる」といった現場特有の課題を的確に解消できます。
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特注設計では、荷重条件や床材特性に合わせてキャスター仕様を最適化できます。例えば、接地面積を拡大した特殊キャスターやウレタン、MCナイロンなど床材との相性を考慮した車輪材質、低床構造でも走行抵抗を抑える軸受仕様といった要素を組み合わせることで、重量物でも初動が軽く、床面へのダメージが最小限になるよう設計できます。
運搬したい特定の機械や部品の脚の位置や重心に合わせて、荷台のサイズや形状を最適なサイズに設計できます。対象物の脚位置、重心位置、重量配分に合わせて荷台寸法・補強構造・支点配置などを最適化できます。これにより、既製品では対応できない転倒防止・荷崩れ防止の観点から高い安全性と安定性を確保でき、機械搬送や精密設備の移設時でも安心して使用できます。
スチール製既製品では塗装剥離や錆が課題となる環境に対し、特注では以下の対応が可能です。
・オールステンレス製造(SUS304/SUS316対応)
・導電性キャスター・低発塵キャスターの選定
・薬品耐性・防錆性を考慮した表面処理
これにより、食品工場・医薬品工場・半導体製造現場など、高い衛生基準や環境基準が求められる現場にも適合した低床台車を製作できます。
今回は低床台車についてご紹介しました。
特注台車設計・製作.comを運営しているダイワアドテックは、低床台車、超低床台車に対応しております。当社は設計から製作まで一貫して対応しているため、図面がなくてもご相談いただけます。
「あと少し台車を低くしたい」「重量物を搬送する際に床が傷つく」
「搬送物が安定しない」など
のお悩みがございましたら、お気軽に当社にお問い合わせください。
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